マダム的演出論

演劇ではないもの...

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花組芝居の怪誕身毒丸をもう何度見ただろう?

久々の公演のハコは駅前劇場。紋付袴の素歌舞伎。花組観劇初の最前列。
銀色の蓮池の前で役者陣を拝みつつもはや法事のような心持ち。故竹本朝重の義太夫、ガムラン、パンソリと、花組の中でも音楽がとびきりの演目で、阿形と吽形の阿形の方を観劇したのですが、もともと身体性の美しい谷山知宏が年を重ね、母親カーリーをやるにふさわしい重みがでてきたのと、軽妙なリズムが独特の大井靖彦のシッダルタ、鼻につくけれど端正な色気の堀越涼のヤマのからむあたり、なんかここはプロレス?神事?舞踏会?と思ったら、そういえば花組芝居は歌舞伎なんだった、としごくあたり前の事を思い出した...。

そしてここ数年自分が好んで見ているもの、プロレスやらアングラやらハチドリ姉妹やら大駱駝鑑やら、見たけれど実はかなり辛かったものなどをあれやこれや思い起こし、もしかして自分は演劇が好きな訳ではなかった(むしろ苦手)のかもと少なからずショックを受けてしまった...。演劇を名乗る中にも自分的には演劇として見ていないものというのはあれこれあって、Ort-d.dのものなんかは結構好きなので微妙なのですが...
やっぱり自分が好きなのは
遠くへ旅に連れてってくれるもの、プレイヤーのオーラが満ち溢れ、偶然や場所の空気をとりこめる感覚があって、受け止める人をくたくたにさせない、バイタルを回復するようなもの...

つまり神様への奉納に立会いたいのです。

神々がかむつどいましてのてんつくてん
師走にふさわしい花組芝居の奉納でした。

行ってよかった。

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GDW番外編 その1

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1年ぶり...怒涛のヤングディレクター特訓終了。

今回の課題は新人DJ達のボイスサンプルを作る企画とMAVの演出。
広告の指導でもあり、演出の指導でもあったのだけれど、掛合や複雑な構成を禁じたせいである程度長文を書かねばならず、思いがけず作家性を指導する時間になりました。得意なものだけでなく普段書いたことのないテーマにトライさせ、一人一人ぐっと追い込んでいきました。

言葉のセンスなどというものは持って生まれた要素が強く、トレーニングではそうそうのびないもの...と今まで思い込んでいましたが、決して決してそんなことはなく...恋のことがよくわからず、初めは薄っぺらいテキストを書いていたヤングは4度のリライトの末に一気にここまで書けるようになりました。

あなたを街で見かけた時、
風に舞う落ち葉も、道ゆく人々も
世界がスローモーションで見えた。

あなたが視界から消えてしまえば
キラキラと輝いていた時間は、

また、色のない世界へと戻る。


帰り道に見上げた月が、
あり得ないくらい綺麗で。
込み上げてきたもので、
今度は目の前がぼやけて見えた。


どうしてだろう。

あなたのことを想うと、

世界がこんなにも違って見えてくる。


そう、それはきっと、「恋」というメガネをかけたから。

ひとはみんな、いろんなメガネをかけている。

人生にすてきなメガネを。
白峰眼鏡。


この原稿は自分でディレクションさせてもらった。
深い言葉にきっとこの子たちは飢えているのかもしれない。

今年はあまりにも何もしない年だったので、自分に負荷をかける時間でもあったのですが、サボっていたせいか、おいつめた時間のせいか、しかし今回は疲れたな~

 

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市田喜一さんの話

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市田喜一さんは、自分が少しだけましなものが撮れるようになってきた頃お世話になった美術デザイナー...。
オールスタッフのあとにリールを見せてほしいと言われ、打合室で居心地の悪い二人きりの試写のあと、微笑んで「わかりました。」と言われたのは、初めての仕事の時。
グラフィック系のカメラマンの方が、いつまでもアングルを迷っているのを短気な自分がいらいらしていると、そっと自分の後ろに来て「そろそろ行ってくるかな。。。」と言ってカメラマンの人にふたことみこと告げると、瞬時にアングルを決めてくれたのは3度目の仕事の時。
事務所に出向いて、山のような仕事のポートフォリオを長い時間かけて一緒に見た。最後に仕事をした時は、その頃始めていた廃棄物の金属の鳥をスタジオの隅で作りながら、若いデザイナーとわたし達の様子をにこにこと伺っていた。

本質を見てくれて、大事にしてくれたとしか言いようがない。そしていつしか自分にも同世代のものを創る仲間ができ、その距離は少しづつ離れていった。

突然の訃報に伺ったお通夜で、たまたま横でお酌してくださった方は業界の人ではなく、版画の仲間で北村さんと言った。わたしは仕事の時の記憶、北村さんはずっと鬼をテーマにしていた市田さんが今年突然蝶を描いていて驚いたこと、お互いに知らない市田さんの話ををしながらたくさん飲んだ。

市田さんがあの頃のように泰然と微笑んで「見てくれている」という気がした。

1年ぶりに若いディレクターのワークショップをしている。
これが何かになるのだろうか、この子達の何かを変えるのだろうかと徒労に幾度も放り出したくなる。けれど遠い昔だけれど、今自分の心の中にあるもの、その温度を思うと、未来のことが少しだけ暖かく思える、会社に戻る冬の帰り道だった。

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アベック対抗歌合戦

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GDW 第1期終了

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昨年の6月から半年あまりチキチキとやってきたGIRL’S DIRECTION WORKSHOP。
6回を終えいったん中締という事で、一緒にやってきたモデル事務所のスペースクラフトさんのマネージャー御大、キャスティングディレクターちゃんと反省会。

『オーディションに強くしてほしい』というリクエストで始まったはずなのに、モデルに演技を教えつつヤングディレクターに演出をさせ、かなりレベルの高い講師陣がその双方を教える...よせばいいのにそんな事をしてしまったがために、常に次の回の事が頭をぐるぐるしている..typhoon.という日々でしたが、スペースさんが持ってきてくれたモデルちゃん達のアンケートを見て疲れがふきとびました。

身内にきびしいという訳ではないですが、若いディレクターより彼女たちの方が気合というか向上心が高く、ずっとひたむきだったのは、年齢や職業ではなく”ハングリー”という事なんだろうなと思う。それはアンケートにもすごく現れていて”できない事への悔しさ”がどの子の文章からも強く伝わってきた。若いディレクター達はたしかにこのモデルの子達より実際”仕事”はたくさんしていたりもする。けれど自分が「できない」という事を直視できている子は少ない。なぜなら広告映像はなんとなくできてしまうから。そして演出スキルを比べたり比べられたりする事は少ない。みな得意そうな仕事ばかりを受けるからできない事に向かい合うチャンスがない。お笑いが好きな子は自分がビューティーが撮れないという事に向かい合う必要がない。グラフィカルにやりたい子は演出言語の貧しさになかなか気づかない。だから比べながら実際やってみるという事はやっぱり大事な事なんだろうな...

そんなこんなで厳しすぎる(そこがいいなと思う)マネージャーとやかましすぎるわたくしと双方の悩み、勉強した子がスターになれるわけではない、というスターイズムのむづかしさなどを話しつつ、焼酎が2本あく。
結局2つの会社の名前を書いたボトルをキープして、また不定期になにかやりましょうと、めちゃくちゃいい夜となりました。

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渋谷のあわじやは料理も素晴らしいいい店だ。もともとちゃんこダイニング若だったらしく席も広々でつい飲んでしまうのねbeer

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2013年の美大ギャグ

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のっけからなんですが、美大ギャグ(わたくしの命名ですが....)が嫌いです....中2男子の不条理な、否定されないさじ加減のサブカル風味、そして別にそんなに面白くない...補足すると、もう古典なのにいまだかわりばえしないところがなんかそこに安住してる感じで嫌い....

CM界でも長く君臨したものの、さすがに収束を迎えつつある2013年。

「これは美大ギャグだよ」と警告を受けながら見たコント『男子は黙ってなさいよ!』
部活、ダメサラリーマン、取調室、電波系という美大ギャグあるあるコントの中に、村上春樹、進撃の巨人、そしてパチンコCR原発という頑張って攻めにでたらしきネタがありました。
ものを作る一人としてコントの舞台で原発ネタが不謹慎だとかいうつもりはありません。ネタ乞食だっていいと思う。でもつきぬけない理由はひとつ
「歴史とか政治とかもっと悪くてもっと不条理でイチバンくだらない(旨い)ものをいい年こいて食ってきてないからだよ....」

中2病などといいますが、大事なことはその病を大事に抱えていろんな人間や社会と接する事なんだと思う。15歳から15年間もっといろんなアホと接するチャンスをみすみす逃し、自分と似たアホとだけ過ごしてしまったのは何とももったいない事....だって40からんで子供が育ってきたりしたら今度はアホの部分が劣化しちゃうんだから。

だけど、きっと今の中2の子が抱えて成長するものは、部活、告白、取調室、みなし児、電波系、UFO、ダメサラリーマンなんかじゃあないんだろうなあ...
今から生まれてくるものはいい意味でも悪い意味でも、きっとひどくちゃんとしたものになるような気がする...それはそれでなんだかさびしいものですね。だからみな本能的にこの時間を延長しようとするのかもしれない、そんな2013の美大ギャクでした....

荒川良々はやっぱりズルいなあ...

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わが友ヒットラーとシュトラッサーと委員長と

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わが友ヒットラー公開稽古

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第5回GDW 本当に好きになっちゃダメ

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年内最後のGIRLS DIRECTION WORKSHOPはやくもさいじ監督のp.o.v主観カメラ。大田区北糀谷の美術さんの昭和のアトリエ、”初めて入った彼の部屋で別れをきりだされる”という設定で、2階の部屋にモデルと監督、1階のモニタでそれをみんなで覗き見るというなかなかに緊張感のある設定...
GIRLS DIRECTIONは「プレイ」であると言うように、監督はモデルごとに、泣き落とし、お色気落とし、脅かしとパターンを変え、自分の声を変え、相手のスキルに合わせて本能と生理を利用しながらノンストップのセッションをしかけてゆく。

その後たまたまBOYSばかりだった生徒とモデルが組み、今度は”彼女に好きと告白されるまで”というキワどいテーマでのpov体験。その中で本人のドキドキがリアルすぎてあまりに生々しいセッションも....「パンツをどこまで脱ぐかだよ.....。」と生徒を指導していた監督ですが、その後の感想で「でも演出家は本当に好きになっちゃダメなんだよね....。」と言った。

あたり前だけれど、演出家がどういう職業であるかの真理をついた言葉だと思った。

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正直この半年、ワークショップは自分にとってなかなかハードなものでした。
月に一度、その監督(カメラマン)の本質が納得できるまで(ある時はよくわからくまま)カリキュラムを組む、その中にはよく知らない人もいるし、知っていた頃とは変化している人もいる。監督とモデルがプレイするように、自分と監督たちもセッションでありプレイでした。5回目となるこの回は、自分も含む4人が投げた様々な(だけどたぶん本質として同じもの)が流れとなって集約した、面白い会でした。

この子たちが、好きになるのをとめられないようなものを撮る機会はいつ訪れるだろうか.....GDWあと2回。さて最終戦。

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シンデレラプロジェクト

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1年間、企画書を作り、シノプシスを脚本を書き、絵本をつくり、インタビューをし、そのほとんどをアカウントのアニキとムスメ、PMくん達とやりきったプロジェクトの打ち上げ。

ごたくを並べて手とカラダの動かない男がしんそこ大嫌いな自分にとって、このプロジェクトは、こういうやり方ならまた現場に戻ってもいいな、と心から思えるプロダクション全開の幸福な仕事でした。指示だけを出す人は誰もおらず(そんな人手はないから)通すため、説得するため、という事をすっとばした(そんな事をしている余裕はないから)クライアントの事、伝わるかどうかという事を、ただただまっすぐに考える事ができた。そうであったから、営業的環境にがんじがらめになっているほとんどの広告業の人たちのありようが改めて手にとるように見えた仕事でもありました。
そして自分が考え抜いたものを人がディレクションする事をひとつも悔しいとは思わなかった。

そのやり方を突き通してくれたアニキが選んでくれた「蟹もおいしい、銀座のスナック」は彼の人柄そのままの、気取らない、人まねでない、ちゃんとおいしい素晴らしいお店で、暖かく気の通った会でした。むづかしい事だろうけれどこれから関わるどんなユニットもこんなふうでありたい。
役割ではなく、一番深く強く考える人がもの事をひっぱってゆくような。

画像は、ママにダイレクト振込みサギを囁く制作のプリンスcrownshine 王子のような男の子。

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