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塚本拓海 ここに来るべき男

Tuka

デスマッチヴァージン2女子を帯同し、大日本DEATH MATCH CRIMZON@新木場。

新木場の1stRINGというのは、その狭さだけでなく壁の黒さとか音響の悪さが伝える生々しさとか外がいきなり駐車場の感じとか、なんというか独特のインディー感がある。グルーブ、と言ってもいい。いきなりのバラモン水の洗礼、天井から落ちる蛍光灯の雨などヴァージンには濃厚な展開のあと、セミの関本大介選手と石川晋也選手のヘッドロックの重低音が延々と続く壮絶ストロングに彼女達の言葉がとまった。

そしてメイン、葛西純と塚本拓海のシングル。
後半とりだしたカミソリのついたボードを自分の首からさげ、そこに塚本選手の顔を幾度も笑いながら抱き抱える葛西純の周りをあの特別な空気が包んだ。その場を異空間に変える特別な力。顔を赤く染めななんども落ちそうになりながら葛西選手の胸に吸い込まれてゆくような塚本拓海のそのリズムもスピードも表情も完璧だと思った。
久しぶりに見る塚本の背中は傷でうまったデスマッチファイターのそれになっていた。これから額が頬が腕が、その若い肌の全てに隙間なく傷が刻まれてゆく。
デスマッチファイターの出てこない大日の未来に対する危機は、自分がマクベスで竹田誠志選手に言ってほしいとお願いしたことだった。(サムライのインタビューなんかで竹田誠志選手は以前からよくそれを口にしていた)だからだろうか、塚本選手がデスマッチファイター宣言をしてからずっとどこかちりちりとした思いがあった。けれど今日その気持ちはふっきれた。
この子がデスマッチを選んだことは資質だ。最初から決まっていた。 ここに来るべき男。

葛西純は、大日の温室育ちかと思ったらなかなかやる、会社の方針なんかどうでもいいこの世界でやりたいように生きろと心底うれしそうに言った。そのたぐいまれな発声、リズム、瞬時に観客の温度を見極めて発したドラマを、塚本は1デシベルも1メッセージも間違えずリアリティーを加味して返す。言葉のチョイスのセンス、ドラマを返すセンス、プロレスのセンス....この二人はきっとまた面白い試合をするだろう。わくわくする。

初めて見るプロレスがこんなプロレスでよかったのだろうか?

こんなにレベルの高い、こんなプロレスで...。

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