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2012年7月

セッションの余地

Fw:

あまり人には言わないけれど、どんなディレクターもこの人の作品を勉強した....という対象がいると思う。竹石渉というディレクターは自分がいい年こいてから勉強した人。GIRLS DIRECTIONのWORKSHOPをしようと思った時、まっさきに頭に浮かんだ中の一人でした。ご縁を辿ってお願いをすると二つ返事で受けてくださいました。

お願いしたのはプレイバック撮影。pvを撮る時に音楽をかけながら撮るアレです。音楽という魔法は、その子の思いがけない引き出しを開ける可能性があるから...。たまたま仕事が早く終わったからと、ふらりと会社を訪ねてきた10分の打合で、竹さんは”その子の歌いたい曲でいい””その曲に合う着たい服で来て”その方がオレも面白いからと言って帰っていった。
そして土曜日の会社の何もない会議室で、竹さんはパートナーのカメラマンKIYOさんと照明西尾さんと初対面の女の子5人を、3時間ちょっとぶっ通しでプレイバック撮影をしたdash曲は、speedのmy graduationでも宇多田ヒカルでも松浦亜矢でもELTでもなく、いきものがかりの”笑ってたいんだ”と絢香の”みんな空の下”

終わってから竹さんは、汗をだくだくかきながらsweat01撮影はセッションの余地を残すと言った。それから今日のセッションはきつい、珍しく疲れています。と。
そりゃそうだ。初めての曲、モデル、場所で、ありえないほどギリギリのところに初めて会う一応ディレクターだっていう生徒達がわらわらたかって、何もかも見られて聞かれてるんだから....。こういうのをわたしはプロレス....と呼びますが...coldsweats02.
みんなわかってくれただろうか?演出家ってどうあらねばいけないかという事を。振る舞う事を。プレイヤーの何倍も全開にならないといけないって事を。瞬時に一番キレイなアングルと角度を見つけて、たった数テイクで驚くほど魅力的な表情をひきだせるって事を。予算のない制限の多い、その中でそれなりにがんばっているこの子たちだけれど、大切なのはこういうかなわない圧倒的な、そしてちゃんとしたものに触れる時間なんだよ。
でもその気持ちは伝わったみたいで、終わってから竹さんのいない席でお酒を飲みながら、今日来なかった生徒はどれほど損だっかたをみな興奮気味に語っていたhappy02

自分の演出はマジックだと演出家は言わなくてはだめ。でも決してマジックなんかではない。技術です。盗めるんだからどんどん盗めばいい。ヤングの自習なんて小学生の自由研究みたいなもの。めんどくさい、もうやめようかなと何度も思う事があるけれど、伝わってくれたら、そしてこうやって惜しみなく盗ませてくれるなら、もうちょっと続けてみようかな、と思う。まあ何より自分が面白い。

竹さん

改めまして本当にありがとう。

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墓あばき

墓あばき

〓HONEY〓

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淡路再訪(夏の西日本ツアー)

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ツアー最終日、神戸への帰途淡路島sun
12月に結婚式で訪れてから再訪となりました。夏の瀬戸内と橋の美しさは一段と素晴らしく、式で訪れた小さなホテルで夕陽をみながら、夏の名物だという”ホテルに侵入する蟹”と大量の玉ネギと淡路の食材を満喫。まあ、そんなチャラいコトだけで済むはずも当然なく、島唯一の商店街やB級観光地という巨大観音など軽く島ディープも満喫.....淡路が佐渡に似ているコトを改めて知る。シャッター街は何もなく人もおらず、けれど流行はそもそもなく清潔で、他の都市に行った時のさびしさとは何かが全く違う。
食は豊かで時はゆるゆると流れ、久々にちゃんと記憶に刻まれる何もない時間というものを味わいました。もしかしてそれは、いろんなところに音楽が流れていなかったからかも。

再訪

1時間だけ泳いだ、まだ冷たい瀬戸内海。

旅の終わり。

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その土地で生まれるもの(夏の西日本ツアー)

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2日め
神戸から淡路島経由徳島dash 吉野川はじめいくつもの大河が紀伊水道に流れ込む徳島は、美しく小さな水の町。日中は心配になるほどのシャッター街も夜になると若い人が(なぜか男女別に)わらわらと湧いてきて”本州とはもはや別物”の瀬戸内の魚(なんなんでしょうね、ホントに)本来豊かな土地であることを眉山の風に吹かれて感じる。地物のすだちがあまりに鮮烈なので箱買いして、帰京してからあらゆるものに絞って大量に摂取。

柑橘類っていうのは、シークワーサーでもタマリンドでもニューサマーオレンジでも割と地場生産地場消費なので、土地の食を色濃くする食材ですね。甘辛の豚バラと生卵をのせた徳島ラーメンまで、滋味があってさっぱり、というのが徳島の味のようでした。

___4 

観光らしき観光もほとんどしなかったのですが、市内の寿司屋さんに「ちゃんと見るなら8時間」と勧められ、鳴門市の大塚国際美術館へ。鳴門は大塚製薬創業の地で研究所や球場も。75周年に設立されたここは”経年退色しないよう陶版に実寸で焼き付けた”大量の世界の名画を展示したもの。実寸coldsweats01のバチカンシスティ礼拝堂が有名ですが、あまりに広大なので、古代と裸婦、近代という普段あまり見る機会のないものをさくさくさらって見る。

好きだったのはコレ(写真はOKgoodジョン.シンガー.サージェントのCarnation,Lily,Lily,Rose。印象派のジャポネスクものなのですが、少女が咲き乱れる花の中で日本の提灯で戯れているという不思議な絵。エンヤのOn may way homeのPVで実写になっているのを後に知りました。これとエロ神アポロンが雲になったり、金の雨になったりして人間の女と浮気してる絵、実寸再現したカッパドキアの修道院が怖くてよかった.... 中世の階あたりで「もうお腹いっぱいだ」「くじけそうだ」と泣き言を言っている関西のお父さんがたくさんおり、みな奥様に叱られておりましたね....coldsweats02 色の褪せない美術品というものが必要なのか?という事はさておき本物を見てみたい、という気持ちにさせる立体教科書兼展示場のような場所....海峡をのぞむ絶景の立地。 1時間半で満喫して、レストランの”ボンカレー”で締めさせていただきましたrestaurant

陶版の砂は地のものらしく、「これもうかるんとちゃうかな!?」とひとつひとつ始めたのが企業を創業した商人の発想だったと思うんですが、でもそれを考える事はとてもクリエイティブで楽しい事だったはず。人のためとか社会のためとか言うのは大事な事かもしれませんが、まず自分の土地にある事やモノや人で「これもうかるんとちゃうかな!?」と考える人がもっといてもいいのかもしれません。人の土地や人のモノではなくて....だからホントにホントに何もなくって国に原発を作ってもらうしかない、なんていうのはつくづく悲しいことだしみじめな事なんだと思う...

西日本ツアー、あと1日

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夕顔のはなしろきゆふぐれの神戸

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九州を破壊し北上する梅雨前線をくぐるように夏の西日本に出かけたのは、滅多に関東に来てくれない維新派がどうしても見たかったからconfident
大駱駝艦のウィルスと維新派、たまたま言語でない表現を欲してたのは、fbでもなんでも日常で接するテキストの量がすごく増えたからのような気がします。言葉は自分がもっとも好きなものだけれど、情報洪水の中にある言葉のほとんどは磨かれても、とぎすまされてもいないし、ほどよい間というものももないので、ひとつの事にリラックスして集中し、様々なものが中から湧き上がるあの大切な時間を奪っている....ま、それならスマフォを手放しなさいよという事なんですが....

維新派は、他の何とも違っていた。
神戸の生糸検査所であったという奥行きのある建物を縦横に使い、顔を白く塗った少年、旅人、背を丸めた老婆、女が記憶の中の風景のように交差してゆく。演劇でもダンスでもアートでもない。食べたことのないもの。庶民的で、ノスタルジックで、左翼と貧乏と矜持が生活にいり混じっている。世界は意識しても、東京の存在をまったく意識していない関西というオリジナル絵本。

でもそれはどこまでも後ろ向きで、過去を向いている。というか現実をまんま無視して過去と未来だけを見ている。失った郷里をこんなふうに表現されたら自分は泣いたりするんだろうか?
会場を出ると現実の神戸はひどく疲れ、劇団鹿殺しの描く世界のように、かつてのパワーはすっかり失われていました。でも、その地場でしか食べられないもの、というのがソーシャル疲れの自分にはまさに旅そのもの。

老人ばかりの新開地の地下街できずし。福原でつぼ焼き。巻寿司。西日本ツアーの不思議な幕開け。

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残留婦人

ビロウな話で恐縮ですが...coldsweats01

引越したマダムの会社の入るビルの1Fの共同トイレに”ひんぱんに少量の残留”のある一室がありまして。ええ、もちろん婦人用ribbonです。初めは躊躇したり個室を変えたりしておりましたがこうもひんぱんになると、原因を究明したくなり。もしや洗浄力typhoonのせい...?かと実験も繰り返しておりましたが、どうもそういう原因ではなさそう....と思いあぐねていある日sign03ついにご本人様らしき方と出会う事になってしまいました。

なぜならそこには、まだほとびていない残留がクッキリと残っておられたからcryingさて個室に入り、いつものようにtyphoon全ての前に水を流したところ、かのモノは全く微動だにせず.....ではもう一度typhoonもう一度typhoonしかし残留はほとんど形を変えません。数回のトライをしつつ次第に冷や汗がにじんでくる夏の個室...今これを放置したらマダムが残留婦人の汚名を着せられるOL様がひんぱんに訪れるランチタイム.....でも知っています、この強固な残留もほとびればいつか態度を軟化させてくる日がくる事を....なぜなら数え切れないほどそれを流してきたから...cryingそして不審なほど長い占領時間を終え、人気の消えたのを見計らって泣きながら脱出dashした個室には、なおも流しきれない婦人の残留が依然として居座っているのでした。

残留婦人
身長155cm、推定年齢36歳。服装露出低めちょいロリ系、事務職風。そしておそらく彼女はその強固な残留の存在を知りません.....

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山川竜司ラストTOKYO in 月光

Photo

レスラーの息が聞こえるほど、しんとした会場は初めてだった。気がつくとレスラーがみなリングをとり囲み、それは儀式のように始まった。盟友といわれたレスラーは誰よりも遠慮なく彼の身体をせめたてた。それはここ最近の試合を見ていれば冷やりとするような激しさがあった。場外のマットのない花道に彼の身体が落とされ、ごつりとした音が響く。そこでようやく観客は儀式から放たれ耐え切れずレスラーの名を叫びだした。光る蛍光灯を打ち付けた月光蛍光灯ボードのひとつが破壊され、もう決して若くない二人の身体がみるみる血に染まってゆく。セコンドたちが壊れそうなほど激しくマットを叩く。みな知っているのだ。自分もいつか、こうやって終わる日が来ることを。ふたつめのボードがエプロンサイドに置かれると、エプロンの上で長い攻防が続いた。もうすぐ終わる。終わってしまう。それは彼だけでななく様々な人たちのある時間なのだろう。やがて永遠であってほしい時間が終わり、光る池の中に美しく沈んでいった。

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暗闇の中にわずかにまたたいた光の中で、レスラーの身体は幾度となく闘った友に再び大きく持ち上げられ、闇の中に幻のように消えていった。

 

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